米海軍絡む汚職スキャンダルの主犯、自宅軟禁から逃亡 足首のGPS端末を切断
(CNN) 米海軍史上最大規模の汚職スキャンダルを主導したとされる元軍事請負業者、レナード・フランシス被告が米加州サンディエゴでの自宅軟禁状態から脱出し、逃走中であることが7日までに分かった。足首に装着したGPS(全地球測位システム)の端末を外しているという。連邦保安官局が明らかにした。
自宅軟禁から逃れたことはサンディエゴの地元紙が最初に報じた。同被告は3週間後に裁判所から判決を言い渡される予定だった。
連邦保安官局の幹部がCNNに明らかにしたところによると、被告の自宅軟禁を監視する連邦機関が4日、サンディエゴ警察に被告の様子を確認するよう求めた。被告の自宅がもぬけの殻であるのに気付いた警察が、保安官局に連絡を取ったという。
同局のチームが同日被告の自宅に駆け付けたものの、そこには足首に装着するGPS端末が切断された状態で残っているだけだった。
近所の住人らの話では、最近引っ越し用のトラック数台を被告の自宅で目にしていたという。
「逃亡は一定の期間計画されていたものだと思われる」と、同幹部はCNNに語った。
保安官局が運営する逃亡者追跡の専門チームが、現在フランシス被告の行方を捜索している。
同幹部は海軍犯罪捜査局も捜索に関与しているとしたうえで、いくつかの手がかりを入手していると説明。全国的に監視体制を敷いているとした。
その体型から「太っちょレナード」とあだ名されたフランシス被告は、2015年に贈賄と詐欺で有罪判決を受けた。
被告の絡んだ汚職疑惑の捜査は13年に始まり、太平洋地域に位置する各都市、港湾が舞台となった。具体的にはシンガポール、東京、バンコク、マニラなど。
捜査中、数多くの米海軍当局者が逮捕された。容疑は現金や売春婦、無料の旅行といった見返りと引き換えに、被告の会社がサービスを提供する港湾に艦船を停泊させたというものだった。