サル痘の重症例に米CDCが警告、オハイオ州では死亡報告
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は29日、サル痘の重症化の症例に関する新たな警告を発して医療従事者に警戒を呼びかけた。一方、オハイオ州はサル痘の感染状況に関する更新情報の中で、死者が出たことを明らかにした。サル痘ウイルス自体による死亡なのか、あるいは他の症状が関係しているのかどうかも含め、詳細は明らかにしていない。
CDCの広報も29日、サル痘の検査で陽性と診断されていたオハイオ州の重症者の死亡が報告されたことを確認した。
サル痘による米国初の死者は今月、カリフォルニア州ロサンゼルス郡で確認されていた。8月にはテキサス州ハリス郡でサル痘に感染した患者が死亡している。
サル痘による死亡は極めてまれだが、乳児や妊婦、免疫力が弱っている人はリスクが大きい。世界保健機関(WHO)によると、今回の流行が始まって以来、世界で報告された症例6万7000例あまりのうち、死亡は27例となっている。
米国で報告されたサル痘の症例は2万5000例を超えているが、流行は収まりつつある。
CDCは29日、サル痘の感染者の中には、重症化したり、長期入院したり、「相当の」健康問題を抱えたりしている人がいると指摘した。
CDCによると、サル痘の患者の大部分は中等症か軽症で、重症化した人のほとんどは「著しい免疫抑制状態」にあるHIV感染者が占める。
重症者の中には以下のような症例も含まれる。
・広範囲の外科的処置や手足の切断を必要とする皮膚の病変
・激しい痛みを伴い、日常生活に支障をきたすような口、尿道、直腸、膣などの病変
・大きく腫れて閉塞(へいそく)に至った腸の病変
・性器や腸、顔などに重大な影響を及ぼす傷痕が残る病変
・脳炎、心筋炎、結膜炎、角膜潰瘍(かいよう)など多臓器にかかわる症状や合併症