ハリケーンの死者80人に、全滅した集落も 捜索救助活動続く 米
サニベル島のアンディ・ボイルさんは、自宅と車2台を失った。それでも生きていられて幸運だったと振り返る。
自宅でハリケーンをしのいでいたボイルさんは、ダイニングルームの屋根が崩れ落ちたことで危険を感じたという。
翌日、自宅前で州兵の航空機に救助され、島の惨状を目の当たりにした。「島の東部は灯台を取り囲んでいた住宅が全部なくなっていた。島の西端へ行くと、そこにあった古いレストランが全部なくなっていた。キャプティバ島へ行く道路は砂浜になっていた」
フロリダ州の電力会社によると、被災地の電力が復旧するまでには1週間かかる可能性があり、建物に構造的な被害があれば数週間から数カ月かかることもある。
州は起業家イーロン・マスク氏が展開する衛星インターネット事業スターリンクの協力も得て、通信の復旧支援にあたっている。
不動産調査会社コアロジックの推計によると、フロリダ州の損失保証額は同州史上、最高額となる470億ドル(約6兆8000億円)に達する可能性もある。
一方、ノースカロライナ州では、トラックが水没して男性が水死するなどハリケーンに関連して4人の死亡が確認された。
サウスカロライナ州では1日の時点で死者の報告は入っていないものの、海岸に面した住宅や車の浸水被害が広がっている。ポーリーズ島とノースマートルビーチの埠頭(ふとう)は、強風にあおられた高波が押し寄せて一部が崩れ落ちた。