(CNN) バイデン米政権高官は15日までに、ウクライナへ侵攻したロシア軍で先端兵器の備蓄分が急速に減っており、代替品の確保もできていない状況にあるとの分析を示した。
ウォリー・アデイエモ財務副長官がCNNとの単独会見で明かした。ロシアは侵攻に対抗する西側諸国の制裁策をかいくぐって軍への補給を確保する方途を必死になって探っているとも指摘した。
副長官はこの中で、ロシアが直面する装備品不足は戦闘現場での判断にも影響を与えているとし、必要とする戦車がないため戦線で可能なことについて重大な選択を迫られる結果になっていると述べた。ロシアはウクライナへ撃ち込む高精度ミサイルに不可欠の半導体を持っていないともした。
欧米諸国らによる対ロ制裁は、以前から問題を抱えていたロシア軍をさらに窮地に追い込んでいるとも説明。兵員、弾薬、戦車やほかの物資が不足しており、部隊強化などを進めることが一層難しくなっているとした。
ロシアは制裁をかわすため代理企業やエリート層を使っているとも主張。その上で中国は大きな助けになっていないとし、「中国はみずから持っていないものをロシアに回すことはできない。中国は最先端の半導体を製造してはいない」と続けた。
これら半導体を調達するためロシアが情報機関やダミー企業を動員しているのは、米国の同盟国やパートナー国がこの半導体を手掛けているためだとも説いた。
CNNは14日、米の情報機関を束ねる国家情報長官室による新たな分析に基づき、西側による制裁はロシア軍がウクライナで用いる弾薬の補給能力を著しくそいでいると報じてもいた。