ペロシ米下院議長宅を男が襲撃、夫を縛ろうと試みる 「ナンシーはどこだ」
ワシントン(CNN) 米カリフォルニア州サンフランシスコにあるペロシ下院議長の自宅で28日未明、夫のポール・ペロシ氏(82)が侵入してきた男にハンマーで襲撃された。複数の警察情報筋がCNNに明らかにした。事件について報告を受けた情報筋によると、襲撃犯はペロシ議長を探していたという。
この情報筋によると、襲撃犯は議長宅でポール氏と対峙(たいじ)し、「ナンシーはどこだ」と叫んだ。事情に詳しい情報筋2人によると、男は「ナンシーが帰宅するまで」ポール氏を縛っておこうとしたという。警察が到着すると、男は「ナンシーを待っている」と語った。
ペロシ議長の報道官は同日夕の声明で、ポール氏は病院に搬送され、頭がい骨骨折や右腕および両手の重傷を修復する手術に成功したと明らかにした。医師は完全回復を見込んでいる。
ポール・ペロシ氏/Andrew Harnik/AP
今回の襲撃は米政界に衝撃を与え、民主、共和両党の指導者から無事を祈る声や非難の声が寄せられた。2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃や、連邦議員を狙った近年の他の暴力事件を受け、米国では議員に向けられる政治的暴力への懸念が高まっている。
事情に詳しい情報筋によると、ペロシ議長は手術前に夫と話をすることができた。ペロシ議長は夫に付き添うため、家族とともに空路サンフランシスコに向かったという。
サンフランシスコ市警は記者会見で、男をデービッド・デパピ容疑者(42)と特定し、出動した警官らが目撃した現場の様子を説明した。動機については捜査中という。