トランプ前大統領の納税申告記録、6年分を米下院委員会が公表
(CNN) 米下院歳入委員会は30日、ドナルド・トランプ前大統領の6年分の納税申告記録を公表した。この記録からは、トランプ氏が大統領在任中の最初の年と最後の年に米連邦所得税をほとんど支払っていなかったことや、多額の損失を計上して税額を抑えていたことなどが明らかになった。
公表されたのは、2015~20年まで6年間のトランプ氏の個人および事業に関する納税申告記録。米連邦最高裁まで持ち込まれた争いの末に、公表が実現した。
納税申告記録を検証した両院税制合同委員会は、トランプ氏の申告内容には疑わしい項目が多数あると指摘。例えば自身の子どもたちへの融資で受け取ったとする多額の利子については、トランプ氏が贈与を偽装していたことを示唆する可能性があるとしている。
トランプ氏は公表を受け、「民主党はこれをやってはならなかった。最高裁はこれを認めるべきではなかった。多くの人にとってこれは恐ろしい事態につながるだろう」との声明を発表した。
トランプ氏が2015~20年にかけ、外国に銀行口座を開設していたことも明らかになった。この中には15~17年の間に中国で開設した口座も含まれる。英国やアイルランドの口座も維持していた。
大統領に就任した17年、トランプ氏が外国で支払った税金の額は、米国で支払った連邦所得税の額を上回っていた。
同年、トランプ氏が納めた米連邦所得税はわずか750ドル。これは前年までの多額の損失を繰り越していたことによる。一方、外国ではこの年、100万ドル近い税金を納めていた。