米下院議長選3日目、164年ぶり10回目の投票でも決まらず
(CNN) 米下院議長が決まらない異例の事態は3日目に突入した。5日にはこれまで7~10回目の投票が行われたが、多数派共和党トップのケビン・マッカーシー院内総務がいずれの回も過半数の票の獲得に失敗し、依然議長は決まっていない。
10回目の投票は過去164年の議長選で最多となる。1859年には44回の投票を記録した議長選があった。
7回目の投票では前日と同様20人の共和党議員がマッカーシー氏の選出に反対した。19人は前日に続きバイロン・ドナルズ議員に入れたが、マット・ゲーツ議員はドナルド・トランプ前大統領に票を投じた。マッカーシー氏支持者のビクトリア・スパーツ議員は候補を選ばない「出席」票を再び投じた。
一方、下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務は自身の会派全員の賛成を得た。
7回目の結果は次の通り。
ジェフリーズ氏 212票
マッカーシー氏 201票
ドナルズ氏 19票
トランプ氏 1票
出席 1票
8回目投票ではドナルズ氏が2票減り、新たにケビン・ハーン議員が2票獲得した。結果は次の通り。
ジェフリーズ氏 212票
マッカーシー氏 201票
ドナルズ氏 17票
ハーン氏 2票
トランプ氏 1票
出席 1票
ハーン氏は共和党教育委員会のトップ。同氏に近い人物はCNNに対し、マッカーシー氏が過半数の獲得に失敗した場合、ハーン氏は当初票を集めていたジム・ジョーダン議員とは異なり、自身の議長職への就任を固辞しないだろうと語った。
9回目の投票ではマッカーシー氏を支持していたケン・バック氏がハーン氏支持に変わる動きがあった。結果は次の通り。
ジェフリーズ氏 212票
マッカーシー氏 200票
ドナルズ氏 17票
ハーン氏 3票
出席 1票
マッカーシー氏を支持するドン・ベーコン議員は、投票は「長引く」との予想を示した。あらゆる譲歩案が提示されているが、同僚議員は合意に達する方法をわかっていないようだと言及。「彼ら自身や我々の党、下院、我々の国にとって恥ずべき状況だ」と語った。
10回目の投票ではハーン氏が得票を伸ばした。
ジェフリーズ氏 212票
マッカーシー氏 200票
ドナルズ氏 13票
ハーン氏 7票
出席 1票
下院議長に選出されるには基本的に過半数の218票を獲得する必要がある。ただし、投票を棄権したり「出席」票を入れる人が出ると、必要とする票数が減ることもある。
議長が決まらないと下院は新議員の就任宣誓を含む議事を進めることができない。