米航空システム「NOTAM」の異常で空の便大混乱、原因は?

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フライトが欠航・遅延となりターミナルで待機する旅行者/Saul Loeb/AFP/Getty Images

フライトが欠航・遅延となりターミナルで待機する旅行者/Saul Loeb/AFP/Getty Images

(CNN) 11日に全米で航空便の出発停止を引き起こし数千便の欠航・遅延を招いた航空システムの問題で、航空管制の関係者がコンピューターの問題に気づいたのは10日の午後だった。

米連邦航空局(FAA)の運用に詳しい人物によると、関係者は航空便への影響が最も少ない11日朝にシステムを再起動することを決定。これによるシステムの停止が遅延や出発停止を招いた。

FAAの当局者は11日朝、記者団に対し、問題は10日午後3時台に生じたと述べた。

前述の情報筋によると、関係者は「NOTAM」と呼ばれるシステムで問題のあるファイルを発見。メインシステムと予備システムの双方で見つかった。NOTAMは安全性に関する重要かつ巨大なシステムで、操縦士にルートや目的地の問題を伝える。予備システムはメインシステムに問題が発生した際の切り替え先となる。

FAAの当局者は10日深夜から11日にかけて、メインシステムの停止と再起動を決定。再起動には約90分かかるため大きな決断となるが、影響を最小限にとどめるため、11日未明、東海岸で便が飛び始める前に実施すると決めた。

FAAは再起動の進行中、記者団にシステムが「復旧し始めた」が解決にはもう少し時間がかかると説明。前述の情報筋によると、システムは戻ったものの安全なフライトに必要な情報を完全に発信できず、より長い時間を要する様子を見せた。

FAAはこれを受け、東部時間11日午前7時半ごろに全米で便の出発を停止。出発待ちの便は地上待機を余儀なくされ、既に上空にいる便には管制官が口頭で安全に関する通知を読み上げた。

ブティジェッジ運輸長官は問題の検証を指示。サイバー攻撃を示す直接の証拠や示唆は現時点でないと語った。

前述の情報筋によると、NOTAMは抜本的な見直しが必要な古いインフラの一例で、「予算上の懸念や予算の柔軟性が原因で、更新が先延ばしになってきた」という。今後は予算がつけられるだろうとの見方も示した。

FAAはCNNのコメント要請に返答していない。

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