下院議長の机に足乗せた男、連邦罪8件で有罪 米議会襲撃事件
(CNN) 米首都ワシントンの連邦陪審は23日、2021年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件でペロシ下院議長の執務室に侵入し、机に足を投げ出した姿の画像が出回っていた男に対して、連邦罪8件で有罪の評決を下した。
リチャード・バーネット被告(62)は議事堂内の行動をめぐり、武器を持って立ち入り禁止区域に侵入、滞在した罪や、公的手続きを妨害した罪に問われていた。
陪審は8件の罪すべてについて有罪評決を下した。刑期は公的手続きの妨害で最大20年。量刑は5月に言い渡されるが、被告はそれまでの間、GPS機能付きの足輪を装着し、自宅で監視下に置かれる。検察は収監を継続するよう求めていた。
評決が言い渡された後、バーネット被告の弁護士は法廷の前で、公正な裁判ではなかったと主張。ワシントン全体がバイデン大統領の支持者で占められていると批判し、「ワシントンや陪審に本質的な問題があると言うつもりはないが、この裁判ではだれも口に出さない政治的配慮があったと確信している」と述べた。
防犯カメラの映像には、被告が事件当日、ペロシ氏の執務室に入る姿が映っていた。本人は法廷で、デモに参加するうちに押し流されて議事堂内に入り、展示物を鑑賞しながらトイレを探していたなどと供述した。検察に反抗的な態度を示し、うそをついたと指摘される場面もあった。
執務室でズボンの中にスタンガンを持っていたとされるが、本人はこのスタンガンについて、シャワーでぬれたために故障していたと述べた。
被告は執務室内での動画で、ペロシ氏を女性への蔑称で呼んだメモを残したと話していた。この点について弁護側は、被告が実際に書いたのは蔑称そのものより軽い意味合いの俗語だったと主張した。