トランプ氏の証言録取の動画公開、NY州司法当局の捜査に黙秘権行使
(CNN) 昨年の8月10日、米ニューヨーク州の司法長官に対してトランプ前大統領が証言録取を行った際の動画が今年1月31日に公開された。この中でトランプ氏は、合衆国憲法で認められた黙秘権を行使し、質問への回答を控えている。
「誰であれ自分のような地位にあって米国憲法修正第5条を行使しないのは愚か者だ。全くもって愚か者だ」。トランプ氏は証言録取の冒頭でそう述べた。
証言録取はニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官(民主党)による民事調査の一環として行われた。同司法長官は昨年9月、トランプ氏の一族の経営する企業のビジネス慣行を巡ってトランプ氏とその子ども3人、当該企業の幹部らを提訴していた。
動画はトランプ氏を至近距離から撮影している。同氏に質問する捜査官は画面に映っていない。冒頭ではジェームズ司法長官が自ら名乗る声が聞こえる。
証言録取の条件に関して捜査官との間で形式的なやり取りを交わした後、トランプ氏は長い声明を読み上げた。その中でジェームズ氏による捜査を「我が国の歴史上最大の魔女狩り」と批判。憲法で認められた権利を行使し、証言録取での質問には答えない意向を明らかにした。
7分に及ぶ声明ではジェームズ氏について、政治的な理由から自分を調査していると指摘。また自身の元弁護士のマイケル・コーエン氏も厳しく非難した。コーエン氏が議会で行ったトランプ氏のビジネス慣行に関する証言を受け、ジェームズ氏は調査を開始していた。
このほか、証言録取の2日前に連邦捜査局(FBI)が行ったフロリダ州の自宅「マール・ア・ラーゴ」の捜索にも言及した。
トランプ氏は黙秘権を行使する以外の「選択肢はない」と主張。「ルールに背き、制御の効かなくなった検察官がこの証言録取を利用するのを許すわけにはいかない。彼女はこの録取を自分の政治的なキャリアを高める道具にしている」と語った。
同日の証言録取は数時間にわたって行われた。今回公開された動画の長さは約37分。録取の内容を記した文書は以前に公開されている。