中国の気球による偵察は「疑いない」 米国務長官
ワシントン(CNN) 米国のブリンケン国務長官は、中国が気球を利用して米国を偵察しようとしていたことは疑いないと述べた。この気球は今月初めにサウスカロライナ州沖で撃墜されていた。
ブリンケン氏は米ABCの番組で、「本来の目的がどのようなものであったのかを明確に語ることはできないが、それは問題ではない」とし、理由として、気球が米国の上空にあったとき、機密性の高い軍事施設を偵察しようとしていたのは明らかだからだと語った。
ブリンケン氏によれば、気球は多くの軍事施設の上を通過したほか、「ウロウロする」こともあったという。
ブリンケン氏は、情報を保護するための対策や気球の情報を得るための対策を実施したと述べた。残骸を実際に入手すれば、より多くのことがわかるとの見通しを示した。
中国の偵察用とみられる気球を撃墜した後、米軍はさらに三つの物体を撃墜した。三つの物体は偵察気球よりも小さく、どこかの国の監視プログラムと関係があるとは考えられていない。三つの物体は気象目的あるいは研究目的で民間の団体が利用していた可能性が高い。
米当局によれば、中国の気球は対照的に、バス3両分の大きさの搭載物を運んでおり、諜報(ちょうほう)の信号を収集したり、写真を撮影したりすることができたという。
ブリンケン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻に関連し、中国がロシアを軍事的に支援することについて懸念を示し、特に、中国がロシアに対して、殺傷能力のある兵器の供与を検討している点を挙げた。