長射程ミサイル供与せず、他の選択肢検討 米統合参謀本部議長
(CNN) 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は2日までに、ウクライナへの軍事支援に関連し射程が長い地対地ミサイル「ATACMS」は提供しないが、戦場でより遠い標的への攻撃が可能な兵器供与の選択肢を検討していることを明らかにした。
現在保持するATACMSは比較的数少なくなっており、米軍としては重要兵器の在庫分を必要な水準で維持しなければならないとの事情にも触れた。
軍事関連メディア「ディフェンス・ワン」との会見で述べた。ATACMSの射程は長めになっているが、この射程に達することが可能な他の兵器システムもあるとして、一例としてドローン(無人機)に言及。
英国にもいくつかのシステムがあり、ウクライナ側にもう少し射程が長いものを引き渡すことを模索しているとした。
その上で、「現段階で我々はATACMSを送らない」とし、政策上の決定事項であると説明。ただ、将来的には検討や提案の対象から外れるものは何もないとも述べた。
ATACMSの射程は約200マイル(約322キロ)で、米国がこれまでウクライナ側へ引き渡したミサイルなどと比べればはるかに長い。
ミリー議長はまた、ウクライナ軍の武器弾薬の使い果たしが非常に速く進んだことを把握した後、大国が絡む戦争に米国が直面した場合、どれほどの武器弾薬が必要になるかの見通しを見直しているとも話した。
現時点で必要な任務を遂行するのに欠かせない十分な武器弾薬の在庫分は確保しているとしながらも、米国の「防衛産業界は今後数年間にわたり製造能力拡大などに取り組む」との課題にも注意を向けた。
大国との重大な戦争に米国が巻き込まれた場合、最善の対策は必要とする武器弾薬の量を過小評価しないことだともつけ加えた。