冷戦最盛期、中国がU2偵察機5機を撃墜した時代<上> 「黒猫中隊」の誕生

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韓国・烏山空軍基地の格納庫に駐機するU2「ドラゴンレディー」=2020年10月22日/US Air Force

韓国・烏山空軍基地の格納庫に駐機するU2「ドラゴンレディー」=2020年10月22日/US Air Force

韓国・ソウル(CNN) スパイ活動中と疑われる中国の高高度気球が米国上空で目撃された時、米空軍は自らの高高度スパイ兵器を派遣することで対応した。U2偵察機だ。

報道によれば、冷戦時代の偵察機であるU2が撮影した高解像度の写真が決め手となり、米政府は中国の気球について、中国政府が主張するような気象調査ではなく、情報収集を行っていると判断した。

これにより、U2は世界の二大経済大国間の緊張を激化させた今回の一件で重要な役割を果たすことになった。米中両政府が互いの監視に使っている手法に国際的な注目が集まる結果にもなった。

これまでのところ、メディアの報道で主な焦点になっているのは気球、とくに一般的には過去のスパイ活動の遺物とみなされている気球が現代のスパイ戦略で今なお重要性を保っている理由だ。しかし、多くの軍事史家にとっては、過ぎ去った時代のもう一つの象徴であるU2の関与の方がはるかに示唆に富む。

U2は米中間のスパイ合戦において長い歴史を持つ。1960~70年代には、少なくとも5機のU2が中国上空で偵察任務中に撃墜された。

こうした損失は予想されるほど広く報道されなかったが、それには大きな理由がある。撃墜当時U2全機の運用を担っていた米中央情報局(CIA)は、U2が中国上空で何をしていたのか一度も公式に説明していないのだ。

さらに謎を深めているのが、これらのU2は米国のパイロットが操縦していたわけでも、米国旗の下で運用されていたわけでもなく、台湾のパイロットが操っていたという点だ。今日の気球騒ぎと驚くほど似通っているが、台湾のパイロットも当時、気象調査中だったと主張した。

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