ワグネル、NATO加盟国のトルコから武器購入図ったか 米軍流出文書が示唆
(CNN) CNNが入手した流出した米国の諜報(ちょうほう)文書に、ウクライナで戦うロシアの民間軍事会社ワグネルが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコから兵器や装備品の購入を試みていたことを示す情報があることがわかった。
ワグネルはウクライナでの戦争で重要な役割を果たしている。戦争が収まる兆しが依然として見えない中、流出した文書は、ワグネルがあらゆる手を使って戦力強化を図っていることを示しているとみられる。
NATO加盟国のトルコは、ウクライナに直接軍事支援を行う米国などのパートナー国と広く認識されており、ロシアの侵攻への反対を公に表明してきた。
トルコには主要な米軍基地もあり、基地に保管された核兵器はNATO加盟国に対するロシアの侵略を抑止する警告の役割を果たす。
流出文書に引用されているシギント(信号情報)関連の報告によると、ワグネルの要員は2月上旬、トルコから兵器や装備品を購入する意図で「トルコの接触先」と会った。この兵器はウクライナでロシア軍と共闘するワグネルの傭兵(ようへい)が使用する可能性があった。
この「接触先」が誰なのか、トルコ政府が接触に気付いていたかどうかは不明。トルコがワグネルへの武器売却を進めようとした証拠はない。
ただ、NATO加盟国がロシアの傭兵に武器を売却する可能性があったことが分かり、米政権内では深刻な懸念の声が上がりそうだ。トルコと他のNATO加盟国との関係も複雑化するとみられる。
流出した文書のタイトルは「マリ、ロシア、トルコ:ワグネルがアンカラから兵器入手を図る」。ワグネルはマリで大きな存在感を維持しており、文書によると、トルコから購入した兵器や装備品をマリで使用する計画もあったとされる。
CNNはこの文書の正確さを独自に確認できていない。複数の米当局者は、流出した文書の大半は本物だとしている。国務省報道官は、国防総省や情報機関が流出文書の有効性を検証中で、具体的な情報への確認やコメントはしないと述べた。
CNNは米国家安全保障会議やトルコ大統領府、在米トルコ大使館に今回の文書に関するコメントを求めている。