黒人産婦が死亡、祖母が遺児12人育てる 米ミシガン州
(CNN) 今月11~17日は米国の黒人妊産婦保健週間にあたり、各地でさまざまな啓発イベントが開催された。黒人女性のパトリシア・ポーンシーさんは娘を出産で亡くし、残された0~19歳の孫たち12人を育てている。
米ミシガン州デトロイトに住んでいた娘のニキータ・ワシントンさん(35)は昨年12月、12人目のナサニエル君が帝王切開で生まれた翌日に死亡した。
ポーンシーさんによると、ワシントンさんは当時、出産のために1人で病院へ行った。夫が収監中で、ポーンシーさんはほかの子どもたちの世話をするために家に残った。
ワシントンさんは病院で高血圧の治療を受け、12月22日夜に帝王切開が始まると家族に連絡していた。その後は何も連絡がなく、翌朝になって出血多量などで亡くなったという知らせが入った。
CNNが閲覧した死亡診断書の死因には、分娩(ぶんべん)後出血と帝王切開を繰り返したことによる合併症と書かれていた。
だがポーンシーさんは、「今もたくさんの疑問が残っている」と話す。何がいけなかったのか、医師は全力を尽くしてくれたのか、病院に1人で行かせなければよかったと、さまざまな思いが交錯する。
病院側はCNNの取材に対し、患者のプライバシー保護のためとしてコメントを避けた。
米国立保健統計センター(NCHS)の最新データによると、米国の妊産婦死亡率は2021年に急上昇し、特に黒人女性では白人女性の2.6倍に達した。
この問題への関心を高めようと、保健週間に合わせて非白人女性による病院の口コミアプリの普及活動が展開され、産後ケアの専門家である黒人の「ドゥーラ」と妊産婦をつなげる案内サイトが新たに開設された。