ロシア兵に「自分の墓を掘らされた」 ウクライナ人女性が米議会で証言
(CNN) 米下院外交委員会で19日、ロシアの戦争犯罪を巡る公聴会が行われた。ウクライナ南部ヘルソン州出身の女性リュボウさん(57)が証言に立ち、ロシア兵から殴られてレイプすると脅され、自分の墓を掘ることを強要された経験を振り返った。
公聴会ではリュボウさんのほか、ロシアに強制移送され、引き取り先の家庭で洗脳されそうになったという少年ローマンさん(16)さんの代理人が証言した。2人の姓は本人たちの要請で伏せられた。
ウクライナのコスチン検事総長も証言を行い、検察は約8万件の戦争犯罪を確認したと説明。これまでにロシア人31人がウクライナの裁判所で有罪判決を言い渡されたことを明らかにした。
「こうした恐ろしい犯罪を食い止めなければ」
会計士として働いていたリュボウさんは、ロシアの占領下で1年近く生活した。「今年1月、ロシア兵が私の元に来た」と振り返る。
ロシア兵は兵器を捜索していると主張してリュボウさんの自宅に押し入り、ウクライナの地図や国旗、ウクライナの模様が入った土産用のマグネット、青と黄色のリボンが付いた第2次世界大戦の犠牲者を象徴する品を押収した。
こうした品はリュボウさんに不利な証拠として使われたという。
リュボウさんは「拷問部屋」に連行されて5日間拘束され、殴られて服を脱がされ、刃物で切りつけられたり、レイプして殺すという脅しを受けたりした。
さらに野原に連れて行かれると、そこでまた殴られた。ロシア兵は拳銃をリュボウさんの頭に近づけ、処刑するかのように発砲した。「自分の墓を掘ることも強要された」という。
その後、リュボウさんは解放されたが、「彼らはまた来ると言い残していった」
リュボウさんが家に戻ると自宅は略奪され、父親のメダルは持ち去られていた。