ロシア兵に「自分の墓を掘らされた」 ウクライナ人女性が米議会で証言
リュボウさんはヘルソン州から避難することに成功し、娘と米国にたどり着いたものの、今の望みはウクライナに帰国することだ。
「私が証言しているのは私の話です。ウクライナではいま、他にも強奪やレイプ、暴行の被害に遭っている人がいます」「こうした恐ろしい犯罪を食い止めなければなりません」
「新しい家族」が少年を「洗脳しようとした」
もう一つの証言はローマンさんの代理人が翻訳者を通じて行った。
代理人によれば、ローマンさんは孤児で、ロシアの侵攻後に学校を離れ、60キロ離れたドネツク州の村までロシア兵に脅かされながら徒歩で移動した。他の子どもとともに病院に入れられ「別の家族を持つことになると告げられた」という。
その後、州内の別の病院に移動し、自称「ドネツク人民共和国」の新たな出生証明書を発行された。そしてロシアに「休暇のため」との理由で身柄を移された。
ロシアに着くと、ローマンさんや他の子どもは養子に迎えられると伝えられた。これを伝えた人物は、国際刑事裁判所からプーチン大統領とともに逮捕状を発行された高位当局者のマリア・リボワベロワ氏だったという。
子どもたちは抵抗し、結局寄宿学校に入ることになったという。
だが、最終的にはローマンさんの「新しい家族」が見つかった。彼らはローマンさんを洗脳しようと、テレビのプロパガンダ用番組を見せてきたという。
ローマンさんは仲間との会話を制限され、動きは携帯電話を通じて追跡された。「新しい家族と新しい生活が気に入っている」との発言を強制される機会もあったという。
ローマンさんはロシアのパスポート(旅券)の取得を強要されたが、その後取り上げられ、養子縁組の書類の手続きをすると告げられた。
ローマンさんはウクライナのボランティアの助けを得て帰国ができたという。