米CIA長官、中国を先月訪問 対中関係の仕切り直し図る中
(CNN) 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が先月、中国を訪問していたことが分かった。米当局者が2日、CNNに明らかにした。米国はここ1年で極度に緊張が高まった対中関係の仕切り直しを図っている。
この米当局者によると、バーンズ氏は「中国側の担当者と会談し、情報機関ルートで意思疎通を続ける重要性を強調した」という。
別の米当局者は今回の訪中について、外交上の任務ではなく、情報機関同士の接触だったと説明した。
ただ、バーンズ氏の訪中は、米国から中国との緊張緩和を模索するシグナルが繰り返し発せられる中で行われた。今年初めに偵察気球の事案が発生して以降、米中関係は対立を深め、ブリンケン国務長官が訪中の予定を延期する事態になっている。
バーンズ氏の訪中については、英紙フィナンシャル・タイムズが最初に報じた。
バーンズ氏が北京で協議した具体的な情報の内容は不明。
バーンズ氏を含む米当局者はここ数カ月、中国指導部がウクライナ情勢で殺傷兵器の供与を検討していることを示す情報があるとして、警告を発してきた。ただ、これまでのところ中国政府は支援を実行していない。
米当局者は中国による台湾奪取の可能性についても警告している。
米国防総省の報道官によると、オースティン国防長官と中国の李尚福国防相は2日、シンガポールで「短い会話」を交わした。中国政府は米国からの正式会談の提案を拒否していた。