米議事堂襲撃関連の罪に問われた男、オバマ氏自宅周辺で逮捕 銃と火炎瓶の材料を所持
(CNN) 米警察は29日、多数の武器と爆発物を作るための材料を所持した男1人を、首都ワシントンにあるオバマ元大統領の自宅の周辺で逮捕した。CNNに明らかにした。これより前、男はインターネットのライブ配信で起爆装置を持っていると主張していたという。
逮捕されたテイラー・タラント容疑者には、2021年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件に関連して逮捕状が出ていた。本人は司法から逃亡した罪に問われている。
首都警察はCNNへの声明で、爆発物処理班に対し容疑者の車両の取り調べを要請したと明らかにした。車両は逮捕現場近くに停車していた。現在周辺地域への脅威はなく、引き続き事件に関する捜査が行われているという。
法執行機関の当局者によると、容疑者の車両からは複数の銃火器と火炎瓶を作る材料が見つかった。今のところオバマ氏の家族に対する直接的な脅威を示す兆候はない。
オバマ氏の家族の広報担当者はコメントを控えた。
公共の安全への懸念や国会議員に危害が及ぶ恐れから議会警察も捜査に協力している。同警察の幹部が声明で明らかにした。連邦捜査局(FBI)のテロ対策班も引き続きタラント容疑者の行動を調べている。
首都警察によれば、タラント容疑者には現在、定まった住所がない。
タラント容疑者は首都警察の警官の家族が起こした民事訴訟の被告でもある。この警官は議事堂襲撃事件の数日後に自殺。訴状では議事堂襲撃時にタラント容疑者が別の暴徒に武器を渡し、当該の警官に攻撃を加える手助けをしたとしている。
タラント容疑者は事件当時議事堂内にいたことを認めた一方、いかなる不法行為も否定。罪状は「でっち上げ」だと主張している。
裁判文書にある同容疑者の供述によると、当時同容疑者は左翼のデモ参加者を取材する「広報係」として議事堂内にいた。議事堂に入る許可は得られており、議会警察から止められることもなかった。
その上で「議事堂の扉は開いていた」と主張。中に入ったところで議会警察から攻撃を受けたとしている。