米議会襲撃の首謀者に禁錮18年、扇動共謀罪で
(CNN) 2020年の米大統領選挙で敗れた当時のトランプ大統領の政権維持のために広範に及ぶ共謀を主導したとして、コロンビア特別区の連邦地裁は25日、極右民兵集団「オースキーパーズ」のトップ、スチュワート・ローズ被告(58)に禁錮18年の判決を言い渡した。また同メンバーのケリー・メグス被告には禁錮12年の判決が下された。
扇動共謀罪の適用は極めてまれで、実刑が言い渡されたのは10年以上ぶり。
量刑の言い渡しに先立ち、メータ判事は「選挙結果が気に入らなかったために、法律があるべきふうに守られていることを否定し、革命を扇動する市民のグループは絶対に許されない」「それがあなたがやったことだ」と述べた。
さらに「あなたは我々の民主主義とこの国の構造に現在も続いている脅威と危険をもたらしている」と指摘。ローズ被告は自責の念を示しておらず、脅威であり続けているとも述べた。
スチュワート・ローズ被告(写真左)とケリー・メグス被告(写真右)/Reuters/Marion County Sheriff's Office
罪状については「2つの概念を合わせた扇動共謀は米国人が犯しうる最も重大な犯罪の一つだ」「政府に対して武力を行使する犯罪、国民に対する犯罪だ」などと断じた。
ワシントンの連邦地裁の陪審団は昨年11月、21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を巡る刑事裁判で、ローズ被告に扇動共謀罪で有罪評決を下した。この歴史的な裁判では、襲撃した者に責任を負わせる司法省の能力が試され、議事堂への侵入が米国の民主主義に対する重大な脅威であるという検察の主張が検証されることになった。