米CDC、犬の輸入規定を70年ぶりに改訂提案、狂犬病の侵入防止
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)がほぼ70年ぶりに、米国への犬の輸入に関する規則の改訂を提案している。
1956年以来となる改訂では、狂犬病のリスクが高い国からペットを連れて来る飼い主に対して新たな条件を設けることを提案。CDCによると、狂犬病は米国では2007年に根絶されたが、今も100国あまりで蔓延(まんえん)している。
CDC広報は今回の提案について、犬の狂犬病が再び米国に持ち込まれることを防いで国民の健康を守る狙いがあると説明する。
米国では人の狂犬病はまれだが、世界では年間約5万9000人が狂犬病のために死亡しており、その大部分を犬にかまれた子どもが占める。世界の狂犬病の死者の99%は犬からの感染だった。
CDCの提案では、狂犬病が国外から米国に持ち込まれるのを防ぐため、追加的な安全策を設ける。例えば狂犬病がない国や低リスク国から来る犬の場合、その犬が直前の半年間、低リスク環境にいたことを証明する書類を提出すれば入国を認める。
米国で予防接種を受け、狂犬病のリスクが高い国から米国に帰国する犬については、CDCの隔離施設がある空港へ持ち込むことを義務付ける。米農務省公認の獣医師が記入・署名した狂犬病予防接種証明書も必須とする。
狂犬病のリスクが高い国から、米国外で予防接種を受けた犬を米国に輸入する場合、有効な予防接種証明書を免許を持つ獣医師に記入してもらい、輸出国政府の公認獣医師に署名してもらう必要がある。米国に到着後はCDCに登録された施設で診察を受け、再度予防接種を受ける必要がある。
この提案については、9月8日までオンラインでパブリックコメントを受け付ける。
なお、猫については予防接種証明は義務付けず、猫の輸入に関する規定に変更はない。