スカリス氏、下院議長選から撤退 共和党指導部は危機に直面
(CNN) 米下院共和党のスカリス院内総務は12日、下院議長選から撤退すると発表した。スカリス氏はマッカーシー前下院議長の解任後、党内の投票で議長候補に指名されたが、下院共和党はスカリス氏支持でまとまることができなかった。
スカリス氏は記者団に「たった今、議長指名候補を辞退すると同僚に伝えた」と明らかにした。
さらに「下院共和党の現状を見ると、まだやるべきことが残っている。我が党は依然として団結する必要があり、まだ不十分だ」と指摘。「いまだに自らの政策課題を掲げる者がいる。私は各自の政策課題は脇に置き、この国が必要とするものに焦点を当てるべきだとの考えを非常に明確にしてきた。この国は私たちが再び団結することを期待している」などと述べた。
スカリス氏の撤退で下院共和党指導部の危機は深まっている。議長選出に必要な217票を獲得できそうな有望な候補がいるかは不明で、共和党は早急に打開策を模索する必要に迫られそうだ。
下院共和党はこの日午後、2時間以上にわたって非公開の会合を開催し、スカリス氏は批判派に党のメンバーの前で反対の理由を説明するよう求めた。会合終了後、スカリス氏は自らのオフィス内で反対派と協議。共和党は12日午後に再び党内会合を開く予定だった。
しかし、スカリス氏の次期議長就任に反対する声は高まる一方で、約20人の共和党議員が反対の立場を表明した。スカリス氏の議長選出には下院の過半数が必要で、4票しか失う余地がない。
スカリス氏が票集めに問題を抱えていることは、党内投票に勝利した直後から明らかだった。投票ではスカリス氏が113票を獲得し、99票のジム・ジョーダン議員に勝利。ジョーダン氏の支持者の一部はこの直後、本会議でスカリス氏に投票しない考えを表明し、その後も反対の数は膨れ上がるばかりだった。