イスラエル批判に署名した学生の氏名と写真、電光掲示板とネットでさらし行為 米
ニューヨーク(CNN) イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの衝突に関連して、米ハーバード大学のキャンパス周辺で11日、イスラエルのみを非難する内容の声明に署名した学生の氏名と写真をさらす宣伝トラックが走行した。
パレスチナに連帯する同大の学生団体は数日前、イスラエルで1200人以上の死者を出したハマスの奇襲を受け、「全ての暴力展開は、イスラエル政権に全責任がある」とする声明を発表した。ガザ地区ではイスラエルが報復攻撃を開始して以来、1400人以上が死亡している。
学内外からの強い反発を受け、その後一部の学生は声明に対する支持を撤回したり、距離を置いたりしている。内容をよく読まずに署名したという学生もいた。
宣伝トラックは保守系の団体が運行し、電光掲示板には「ハーバードの筆頭反ユダヤ主義者」として、学生の氏名と顔写真が掲載されていた。氏名はネットにも掲載された。CNNは、名前を公表された学生が署名に関係していたかどうかを確認できていない。
ハーバード大学のユダヤ系学生団体は、「学生の氏名と顔写真を表示したバスがキャンパスを走行したことも含め、パレスチナ連帯声明の署名者を脅迫する行為を強く非難する」とした声明を公式サイトに掲載した。
同団体はパレスチナ連帯の声明を強く拒絶するとしながらも、「いかなる状況であっても、その説明責任が個人に対する公然の脅迫に及ぶことがあってはならない」と強調している。
今回の署名をめぐっては、億万長者の著名投資家ビル・アックマン氏など数人の実業家がハーバード大学に対して署名した学生の氏名公表を要求し、その学生は採用しないと公言していた。