非番の操縦士が飛行中にエンジン操作妨害、旅客機が燃料ストップ寸前に 米
(CNN) 米サンフランシスコへ向かっていたアラスカ航空の旅客機内で、乗客として操縦室内に搭乗していた非番の操縦士がエンジン制御の妨害を試みたとして取り押さえられる事件があった。同機は行き先を変更してオレゴン州ポートランドの空港に着陸した。アラスカ航空が23日に発表した。
警察によると、ジョセフ・エマーソン容疑者(44)は同機の乗員に取り押さえられ、ポートランド港湾警察に引き渡された。殺人未遂や無謀行為、航空機を危険にさらした容疑などがかけられている。
アラスカ航空の発表によれば、ワシントン州エバレットの空港を出発した2059便(エンブラエル175型機、傘下のホライゾン航空が運航)から、操縦室内にいた非番のアラスカ航空操縦士に関連する「治安上の脅威」の報告が入った。
同航空がCNNに語ったところによると、非番の操縦士はエンジン消火器のハンドルを引いて両方のエンジンを停止させようとした。操縦士と副操縦士のとっさの対応で、完全なエンジン停止は免れたという。
消火システムはそれぞれT字型のハンドルを引くと主翼にあるバルブが閉じてエンジンへの燃料供給がストップする仕組み。ハンドルが引かれた後も配線内にある程度の燃料が残っており、乗員がすぐに対応してハンドルを元に戻したために、燃料の流入が復活して燃料枯渇を免れた。
事件発生当時、同機は巡航高度を飛行していた。
事件については米連邦捜査局(FBI)とポートランド港湾警察が捜査している。FBIによると、この事件に関連したけが人はなかった。
米連邦航空局(FAA)は今回の事件に関する航空各社への通知で、暗にイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突に言及して「現在の世界の出来事」とは無関係だったと説明した。