ウクライナ人パイロット、米国でF16の訓練を開始
(CNN) 少数のウクライナ人パイロットが今週、米国でF16戦闘機の訓練を開始した。米空軍の報道官が明らかにした。
報道官によると、パイロットらはアリゾナ空軍州兵第162航空団で訓練に臨む。この部隊は海外のパートナーに対しF16の訓練を行うことを専門にしている。
今回の飛行訓練に先立ち、パイロットらはテキサス州サンアントニオにある国防総省語学学校英語センターで語学研修を終えた。
米国はウクライナ人の要員約200人に対し、複雑な戦闘機であるF16の整備訓練も行う予定だ。
ウクライナのゼレンスキー大統領はここ数カ月、ドローン(無人機)やミサイルを使ったロシアの攻撃への対抗を強化するため、F16の供与を緊急要請していた。
今夏には、デンマーク主導の国家連合がウクライナ人パイロットに対するF16の訓練を開始。オランダとデンマーク、ノルウェーの3カ国は訓練終了後ウクライナにF16を供与すると表明している。
欧州諸国のF16パイロット訓練能力には限りがあることから、米国も8月、少数のパイロットに訓練を行う方針を発表した。
ブリンケン国務長官によれば、米国は訓練が完了次第、第三者を通じたウクライナへのF16供与を承認する方針。F16戦闘機は米国の技術であるため、他国が自国のF16をウクライナに送ることを望む場合は米国の承認が必要となる。
ブリンケン氏は8月、オランダやデンマークの関係者に宛てた書簡で迅速な対応を約束したものの、ウクライナ当局者は年内にF16を受け取る可能性について楽観視しておらず、受領は来年になると見ている。
米国は5月にウクライナのパイロット2人を受け入れ、高度な戦闘機を操縦する能力について評価した。ウクライナ空軍はミグやスホイといったソ連時代の旧式戦闘機で構成される。パフォーマンス評定によると、パイロット2人は飛行シミュレーターで「平均を上回る」技量を示したという。