米大統領選挙、共和党候補指名争いと代議員について解説
(CNN) 各州の予備選挙や党員集会で勝利することは、党の候補者として指名されるまでの長い道のりの一歩に過ぎない。
共和党候補者の選出概要
民主・共和両党は夏に行われる全国党大会で、代議員が正式に党候補者を指名する。党によって選出の過程や規則は異なるが、候補指名を確実にするために十分な数の代議員を勝ち取ることが大統領予備選のポイントだ。
候補指名争いは1月から6月にかけて予定されているが、選出方式や代議員の種類は千差万別だ。そのため、代議員数の集計がややこしくなる場合もある。
代議員とは
各州の予備選挙や党員集会で好成績を収めることが代議員数に直結する。したがって、党大会で代議員の投票が行われるまでに指名を確実にする代議員数、すなわちマジックナンバーを獲得することが大きな目標となる。
代議員の人数
共和党の候補指名を勝ち取るためには、指名候補争いで2429人のうち少なくとも1215人の代議員数を確保しなければならない。
これまで現職大統領が出馬しない場合(2024年の共和党がまさにそうだ)、マジックナンバーの到達には5月、場合によっては6月までかかることが多い。16年、初めて大統領選に出馬したドナルド・トランプ氏がマジックナンバーに到達したのは5月26日だった。トランプ氏は3度、大統領選に出馬している。
今回トランプ氏が選挙戦序盤でこのまま首位を維持できれば、かなり早い段階で指名を固めることも考えられる。
予備選候補者が代議員を獲得するには
選挙戦序盤に行われる州の予備選挙や党員集会の多くでは、代議員は比例方式で割り当てられる。つまり各候補者には、選挙での得票率に相当する代議員の数が与えられる。州全体の投票結果を基に割り当てられることもあれば、各選挙区の投票結果を基にする場合もある。
例えば16年、テッド・クルーズ上院議員はアイオワ州の党員集会でトップ当選を果たしたが、得票率が30%に満たなかったため、代議員は8人しか獲得できなかった。16年にともにアイオワ州党員集会を戦ったトランプ氏とマルコ・ルビオ上院議員は、それぞれ7人の代議員を獲得した。
代議員獲得の権利を得るために一定の得票率を満たさなくてはならない場合もある。そうした州の多くでは、大多数の票(大抵は得票率50%)を獲得した候補者が州全体の代議員数を獲得できるという特別ルールが設けられている。
様相が変わるのは3月15日以降だ。この日を境に、州の候補指名争いで過半数の得票で当選した候補者に代議員の総数を与える選択が可能になる。
勝者総取り方式が導入されると、トップを追う他の候補者は代議員獲得がさらに難しくなる。
アイオワ州党員集会がより重要な理由
党員集会や予備選挙が始まる以前から、アイオワ州とニューハンプシャー州がよく話題にのぼる。候補者が序盤で勢いをつける上では重要と言えるだろう。だが、この2州で獲得できる代議員の数はごくわずかだ。
選挙戦の行方を左右する大多数の共和党代議員が焦点となるのは、アイオワ州で最初に投票が行われてから7週間後の3月5日に行われるスーパーチューズデーからだ。
この日は代議員数が最も多いカリフォルニア州をはじめ、13の予備選挙と3つの党員集会が行われ、共和党全体の36%にあたる874人の代議員が割り当てられる。とはいえ、候補指名争いの折り返し地点はまだ先だ。
代議員の種類
候補指名争いの結果をもとに割り当てられる代議員とは別に、数は比較的少ないものの、ペンシルベニア州、モンタナ州、ニューメキシコ州、サウスダコタ州、グアムの計142人の代議員は選挙結果にしばられない。厳密には、こうした代議員は党大会の際に州の当選者を支持する必要はなく、自らの選択で自由に候補者を支持できる。
どの候補者もマジックナンバーに届かなかった場合
候補指名争いでマジックナンバーを獲得した候補者がいなかった場合、代議員数の算出はさらにややこしくなる。とはいえ、もう長いことそうした状況にはお目にかかっていない。予備選で勝者が決まらなかった場合、党大会で代議員が何度か投票を行い、党の指名候補者を選出することになる。
一方、民主党は
民主党の場合、ジョー・バイデン大統領の指名に反対する声はほとんど聞かれていないが、それでもバイデン氏は候補指名争いで、事前に誓約した代議員3936人のうち少なくとも1969人を獲得しなければならない。過半数の代議員を獲得できなかった場合、同氏は党指導部や議員、その他民主党幹部など、自動的に代議員を委任される740人の助けが必要になる。
注:厳密には、民主党の代議員獲得争いは2月上旬のサウスカロライナ州予備選挙からスタートする。共和党のサウスカロライナ州予備選挙は2月下旬に行われる。