2024年米大統領選、デサンティス氏とヘイリー氏による討論会での主なポイント
(CNN) 2024年の米大統領選で共和党からの指名を目指しているロン・デサンティス・フロリダ州知事とニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事が10日夜、CNNの主催する1対1の討論会に臨んだ。会場は5日後に党員集会が開かれるアイオワ州のデモインで、互いを「うそつき」呼ばわりするなど激しい応酬を繰り広げた。
討論会の数時間前には、クリス・クリスティー前ニュージャージー州知事が予備選の選挙活動からの撤退を表明。トランプ前大統領以外の候補者が並び立つ最後の討論会となった。
討論の主なポイントを以下に挙げる。
またも不在のトランプ氏
純粋に政治的な問題として、討論会を欠席するトランプ氏の判断が今回以上に賢明だったこともなかなかない。
デサンティス氏とヘイリー氏はトランプ氏への控え目な批判を展開。「国境の壁の建設」を果たしていないことや自分たちと共に登壇していないことなどに言及したものの、どちらもより核心を突いた非難を浴びせるには至らず、大統領職に不適格だと主張する機会を逸した。
特にデサンティス、ヘイリー両氏がこの夜を通じて見解を同じくしたのは、トランプ氏が登壇するべきだったという一点になる。トランプ氏は討論会参加に必要な資格を満たしていたが、FOXニュースが主催する対話集会に出席した。
先を争い厳格さをアピール
デサンティス氏とヘイリー氏は先を争い、保守派が根本原理とする優先事項に最も厳格な姿勢を示そうとした。具体的には不法移民の流入に終止符を打ち、減税を行い、連邦予算を抑制するといった施策だ。
両氏のいずれも、合法的に入国しなかった者に対しては米国内の滞在を認めないと明言した。
また両氏とも、米国南部の国境の壁を完成していないとしてトランプ氏を非難した。
ヘイリー氏がデサンティス氏の選挙運動をこき下ろす
討論の中盤にヘイリー氏が見舞った攻撃は、デサンティス氏がこれまで大統領候補として受けた中で恐らく最も辛辣(しんらつ)なものだった。それに先立ちデサンティス氏は、ヘイリー氏の指導力の低さを非難していた。
その瞬間は、教育政策の議論の中で訪れた。デサンティス氏はヘイリー氏が教育バウチャー制度(訳注:学校教育に使用目的を限定した「クーポン」を子どもや保護者に直接支給することで、子どもが私立学校に通う家庭の学費負担を軽減するとともに、学校選択の幅を広げる仕組み)を主導できなかったと批判。制度に消極的だったサウスカロライナ州議会を動かせなかったと指摘した。
「彼女は他人のせいにする。指導力とは物事をやり遂げてこそ意味をなす。言い訳はやめて、結果を出しなさい」(デサンティス氏)
これに対するヘイリー氏の返答は、過去数カ月にわたってデサンティス氏の陣営や同氏を支援する特別政治活動委員会(スーパーPAC)で起きた指導部の交代や個人のいざこざを詳細に語って聞かせるというものだった。
外交政策でそれぞれの見解
外交政策を巡っては、共和党内での意見の対立が全面に表れた。ヘイリー氏とデサンティス氏は、ウクライナによるロシアとの戦争で米国が果たすべき役割について真っ向から激突。ウクライナを強力に支援することが、ロシアによるポーランドや他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国へのさらなる侵攻の阻止につながると主張するヘイリー氏に対し、デサンティス氏はそのような立場をバイデン大統領の「カーボンコピー」と断じた。
両候補とも、自分の対ウクライナ外交こそが最終的な戦争の阻止につながると強調。とりわけ米軍の地上投入を必要とする戦争は防ぐことができるとの認識を示した。