バイデン氏を装う自動音声電話 民主党予備選への投票見送りを呼び掛け
(CNN) 米大統領選に向けた民主、共和両党の予備選挙が23日に予定される東部ニューハンプシャー州を中心に、再選を目指す民主党現職、バイデン大統領に似せたとみられる自動音声電話(ロボコール)が横行している。
CNNがロボコール対策アプリ「ノモロボ」から入手した音声は、人工的に合成されたバイデン氏の偽音声で「共和党は民主党や無党派の有権者を自分たちの予備選に投票させようとしている。なんというでたらめだ」と批判。「11月の本選挙に票を取っておく必要がある」「23日に投票すれば、トランプ前大統領の復活を狙う共和党を利するだけだ」と主張し、予備選への投票を見送るよう呼び掛けている。
ノモロボは、このロボコールが推定5000~2万5000件に及んでいるとの見方を示し、最も深刻な事態という区分に位置付けた。
ニューハンプシャー州は長年にわたり民主、共和両党による予備選の最初の舞台となっていた。ところが民主党全国委員会は今回、予備選を南部サウスカロライナ州から開始すると決定。これにニューハンプシャー州の民主党本部が強く反発し、23日に非公式のまま予備選の初戦を実施すると発表した。
バイデン氏は同州予備選に正式参加せず、投票用紙にも名前が記載されない。それでもバイデン陣営は同州の有権者らに、バイデン氏の名前を記入するよう促す運動を展開してきた。
バイデン陣営の責任者は何者かが偽情報を流し、投票を妨害しているとして、州司法長官に申し立てたことを明らかにした。
ロボコールの発信者として電話番号が表示される同州民主党本部の元トップも、「何者かがバイデン氏の妨害を図っている」「民主主義への干渉だ」と非難している。