米、ガザに人道支援物資を空中投下へ バイデン氏発表
空中投下の発表は、ガザ地区の悲惨な状況を認めた形だ。2月29日にはガザ地区北部でイスラエル軍が食料の輸送車列を待つ人々に発砲し、100人以上が死亡した。
目撃者はCNNの取材に、一帯を離れようとした支援トラックが誤って人々に衝突し、さらなる死傷者が出たと証言している。
空中投下により現地の人の苦境はある程度、和らぐとみられる。ただ、1回の投下で届けられる支援物資の量はトラック輸送に比べごくわずかで、ガザ人道危機の持続的な解決策となる可能性は低い。
むしろ空中投下の活用は、イスラエル政府が検問所の追加開設を拒み続け、甚大な影響が出ている現状を浮き彫りにする。米国はネタニヤフ政権に北部の検問所を追加開設するよう求めているものの、これまでのところ聞き入れられていない。
ガザ紛争への対応を巡り、バイデン政権は国内で激しい批判にさらされており、大統領選の年を迎えたバイデン氏に政治的な影響が出ている。