行方不明者の捜索再開、ブラックボックス回収 米ボルティモア橋崩落
(CNN) 米東部メリーランド州ボルティモアで貨物船が衝突して橋が崩落した事故で、現場では27日も行方不明者の捜索が続けられた。米国家運輸安全委員会(NTSB)のホメンディ委員長は同日、貨物船からブラックボックスを回収したと明らかにした。
同州のムーア知事はダイバーらによる水中での行方不明者の捜索活動について、水温は低く、潮の流れもあることから極めて過酷な状況で行われていると説明。金属の残骸などが捜索を困難なものにしていることも明らかにした。
当局によると、事故発生時、橋には8人がいた。2人は救出され、残る6人が行方不明となっている。6人は建設会社の作業員で、橋で補修作業を行っていた。
米国務省は同日、行方不明者の母国であるメキシコやエルサルバドル、ホンジュラスに連絡をとることを明らかにした。
事故の調査を主導しているNTSBのホメンディ氏によると、調査員が26日夜に貨物船に乗船し、航行データが記録されているブラックボックスを回収。データの検証がすでに始まっており、早ければ27日中にも衝突までの経過が明らかになるとの見通しを示した。
橋の崩落でボルティモア港への主要な水路が塞がっており、入港や出港の再開見通しは立っていない。ムーア氏によると、同港の国際貨物の取扱量は約5100万トンと米国で最多。物流や港湾の労働者らに経済的影響が及んでいると指摘した。
事故は26日未明に発生した。ポタプスコ川に架かる橋の橋脚にシンガポールのシナジー・グループが運営する同国船籍の「ダリ」が衝突し、直後に橋が崩壊した。