イランから押収の武器・弾薬、ウクライナに譲渡 米軍
(CNN) 米中央軍は9日、イランから押収した数千丁の機関銃や狙撃銃、ロケット発射装置と数十万発の弾薬をウクライナに譲渡したと発表した。
ウクライナはロシアとの戦争で武器や弾薬の不足に直面している。米国は議会で支援法案が承認されるまで、自国の備蓄のなかからこれ以上の装備を送ることができない。
中央軍によれば、今回ウクライナに譲渡された兵器類は、約4000人で構成されるウクライナの1個旅団に小銃を装備させるのに十分な量だという。中央軍は声明で「これらの兵器はロシアの侵攻からウクライナを防衛するのに役立つ」と述べた。
中央軍によれば、今回ウクライナに譲渡した弾薬は元々、2021年5月22日から23年2月15日にかけて、船籍のない4隻の船から米軍らが押収したもの。米政府は昨年12月、米司法省による民事没収の手続きを経て、兵器類の所有権を得たという。
米国がイランの武装組織から押収した兵器類をウクライナに譲渡したのは今回が初めてではない。CNNは先に、米国が昨年10月、ウクライナ軍に対して、イランから押収した弾薬100万発余りを譲渡したと伝えていた。
米海軍は過去1年にわたり、イランがイエメンの反政府武装組織フーシに武器を輸送するために使用した船舶から、数千丁のイラン製の突撃銃や100万発以上の弾薬を押収している。こうした武器類の押収は、しばしば地域のパートナー国とともに実施され、過去にフーシへの武器密輸に使われてきた航路を利用する船籍のない小型の船舶を標的としている。