米、アサンジュ被告の起訴取り消し検討 豪の要請受け
ワシントン(CNN) バイデン米大統領は10日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ被告(52)の起訴について、同被告の出身国であるオーストラリアからの要請を受け、取り消しを検討していると明らかにした。
オーストラリア議会は2月にアサンジュ被告の母国への解放を求める動議を可決している。
バイデン氏は10日、ホワイトハウスでオーストラリアの要請について質問され、「検討中だ」と答えた。
アサンジュ被告はこの5年間、英国の首都ロンドンにある刑務所に勾留されている。その前の7年間は在英エクアドル大使館に籠城(ろうじょう)していた。
米当局はアサンジュ被告が軍の機密文書を暴露して人命を危険にさらしたなどとして、英国に身柄の引き渡しを求めてきた。
アサンジュ被告は2010年と11年にチェルシー・マニング元米陸軍情報分析官から提供された軍事機密記録を公開し、19年にスパイ活動法などに基づき18の罪状で起訴された。
有罪となった場合、アサンジュ被告は最長175年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。
英裁判所は22年にアサンジュ被告の米国への引き渡しの命令を出し、英政府も承認した。だが、アサンジュ被告側が不服を申し立て、高等法院は先月、身柄の引き渡しに関する判断を保留し、米国にアサンジュ被告の人権を守り、同被告が死刑に問われることがないなどの保証を3週間以内に提示するよう求めた。
アサンジュ被告の身柄引き渡しをめぐっては、移送が認められれば報道の自由を抑圧することになると、言論の自由を擁護する人々から非難の声が上がっていた。