ウクライナ、追加支援なければ今年末までに敗北も 米CIA長官が警告
(CNN) 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は18日、米国による追加の軍事支援がなければ、ウクライナはロシアとの戦争に今年末までに「敗北する」可能性があると警告した。
ウクライナ情勢に関してバイデン政権が発したコメントとしては、これまでで最も厳しい内容。米連邦議会は、先延ばしになっているウクライナ向け支援パッケージを承認するかどうか議論している。
ほんの1カ月前、バーンズ氏は上院情報委員会での証言で、追加支援の承認がなければウクライナは著しく形勢が不利になる公算が大きいと警鐘を鳴らしていた。
ところが18日の発言では、ウクライナが全面的な降伏に追い込まれかねないと警告。「極めて現実的なリスクとして、ウクライナは2024年末までに戦場で敗北する可能性がある。あるいは政治的解決の観点から、プーチン(・ロシア大統領)が命令を下す側に立つ恐れもある」と述べた。
「敗北」の具体的な定義について、バーンズ氏は18日の時点で明かさなかった。西側の諜報(ちょうほう)に詳しいある情報筋がCNNに語ったところによれば、支援パッケージが承認されなくても、当局者らはロシアがウクライナ全土を制圧する公算は小さいとみている。
それでもロシアは追加の領土を相当程度取り戻し、その後事実上の停戦に持ち込む可能性がある。14年にクリミア半島を併合した際と同様の措置で、実現すればこれも一つの「敗北」と見なされることになる。