米未解決事件被害者の母娘、24年後に遺骨見つかる 容疑者が死の床で殺害を自白
(CNN) 24年近く前に起きた米国での未解決事件で、当局がこのほど、殺害された母娘の遺骨を発見した。母娘を射殺したとみられる男が死の床で明らかにした情報が発見につながったという。被害者の夫、父である男性は現在、ある種の区切りがついた感慨を抱いている。
ウェストバージニア州ローリー郡のベンジャミン・ハットフィールド検事は、23日の記者会見で事件について、思いもよらない現実離れした結末を迎えたと語った。
同検事によると今月、事件で起訴されたラリー・ウェッブ被告が捜査員の一人に対し、「詳細で否定の余地なく、矛盾もない」告白を死の床で行ったという。同被告は2000年に当時10歳だったナターシャ・「アレックス」・カーターさんと、母親のスーザン・カーターさんを射殺したことを認めた。
同年、母娘はウェッブ被告の家に住んでいた。当局が明らかにした。被告は捜査員に対し、自宅に所持していた現金の一部がなくなったと説明。当時大金を使っていたスーザンさんを疑ったと話した。両者はその件で口論となり、ウェッブ被告がスーザンさんを撃った。その後、スーザンさん殺害の発覚を避けるため、アレックスさんを殺すしかなくなったという。
被告は母娘の遺体を自宅の地下に保管。その後2晩の間に自身の所有地にある森の中で浅い穴を掘り、そこへ母娘を一緒に埋めた。
アレックスさんの父親のリック・ラファティーさんは23日、「どちらかと言えば悲しい日だが、喜ばしい日でもある。娘を連れて帰ることができたから」と語った。また24年近くの間、何度も捜査が行き詰まり、希望を失いかけたこともあったと振り返った。
捜査開始当初から容疑者と目されていたウェッブ被告は23年10月、アレックスさん殺害の罪で起訴されたが、その時点で母娘の遺体は見つかっていなかった。
起訴後はウェッブ被告の健康状態などを理由に裁判日程が遅れ、被告本人も介護施設に移送された。
ハットフィールド検事によれば、今月の公判日前、捜査員の一人が施設でウェッブ被告から話を聞くことができた。ここで被告は殺害や動機の詳細について自白。遺体を所有地の裏手に埋めたことも明らかにした。
自白の内容はそれまでの捜査や収集した証拠に沿うものだったという。
ただ被告の記憶の曖昧(あいまい)さや心身の状態から、遺体の埋葬場所を割り出すのは難航した。今月9日には被告も伴って捜索したが、本人の健康が著しく悪化し、成果は得られなかった。
その後ウェッブ被告は総合病院に移され、22日午前に死亡した。
スーザンさんとアレックスさんの遺骨が見つかったのはその数時間後だったという。
捜査は継続しており、遺骨は検視局に引き取られた。