米NY最高裁、元著名プロデューサーの有罪判決破棄
(CNN) 米ニューヨーク州の最高裁は25日、ハリウッドの元大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン受刑者(72)の性的暴行事件について、証人尋問で問題があったとして一審の有罪判決を破棄し、再審を命じた。
ただし同受刑者はカリフォルニア州でも有罪となっており、今回の有罪判決破棄でただちに釈放されるわけではなく、服役を続ける。
ニューヨーク州の最高裁は証人尋問が公平でなかったと判断した。被告の「過去の悪行」についての起訴の対象となった被害者以外の証言は、「被告の意図を立証するのに不要で、被告が起訴された犯罪を犯す傾向の立証に役立つだけだった」として、認めるべきではなかったとした。7人の判事のうち4人が再審に賛同した。
ワインスタイン受刑者は2020年に性犯罪とレイプで有罪となり、禁錮23年が言い渡された。同受刑者は無実を主張し、合意のない性行為を一切否定している。同受刑者は現在、ニューヨーク州の矯正施設に収監されている。
カリフォルニア州ロサンゼルスの裁判所も昨年、同受刑者にレイプと性犯罪で禁錮16年を言い渡した。
同受刑者は数々の有名な映画を手がけ、かつてハリウッドで最も権力を持つ1人だった。17年に米紙ニューヨーク・タイムズなどが、同受刑者が影響力を利用して女性に性的暴行を繰り返しているとの疑惑を報じ、問題が表面化した。
この事件がきっかけとなり、多くの女性が性暴力やハラスメントなどを告発する「#MeToo」運動が広がった。