イスラエル首相、権力固執でガザ戦闘「長引かせている」可能性 バイデン氏が示唆
ワシントン(CNN) バイデン米大統領は4日に公開されたインタビューで、イスラエルのネタニヤフ首相が権力に固執してパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を長引かせている可能性があると示唆した。イスラエルが戦争犯罪を行ったかどうかは「不確か」だと述べた。
ネタニヤフ氏が政治的な目的で紛争を長引かせようとしていると考えているかとの質問に対し、バイデン氏は「人々がその結論を導き出すあらゆる理由がある」と答えた。
バイデン氏は昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるテロ攻撃の前にイスラエル軍から激しい反発を招いたネタニヤフ氏の司法改革案に言及し、「これは国内の議論であって、何の因果関係もないようにみえる」と語った。
「ネタニヤフ氏が立場を変えるかどうかは分からないが、助けにはなっていない」(バイデン氏)
大統領のこの発言は先週、戦闘終結と人質解放に向けたイスラエル側の提案を説明する演説の準備をしている最中に行われた。
演説はハマスとイスラエルに戦闘を終わらせるよう圧力をかけることを意図したものだったが、バイデン氏の発言は、ガザでの戦闘が進行する中でネタニヤフ氏を追い詰める結果になった。ネタニヤフ氏はイスラエル側の提案であるにもかかわらず、現時点でこの計画を公に支持しておらず、連立政権の極右閣僚らは、この提案を受け入れるなら辞任すると警告している。
イスラエルの計画を説明するというバイデン氏の判断は、人質解放の交渉が行き詰まっていることに対するいら立ちの表れだ。
バイデン氏はネタニヤフ氏を愛称で呼び、「ビビは人質に関して多大な圧力を受けている。だから人質を取り戻すためなら何でもする覚悟だ」と語った。
バイデン氏はインタビューの公開後、ネタニヤフ氏がガザの戦闘をめぐり「政治的な駆け引き」をしているかどうか尋ねられた際、同氏が直面している圧力を改めて認め、「私はそうは思わない。ネタニヤフ氏は深刻な問題を解決しようとしている」と語った。
国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルの指導者らに逮捕状を請求した際、イスラエルの行動が戦争犯罪に該当すると主張したことについて、バイデン氏はインタビューで、該当するかどうかは明らかではないと述べた。
一方で、バイデン氏はイスラエルが「不適切な活動」に関与したと述べた。
「一つ確かなことは、ガザにいるパレスチナ人は食料、水、医薬品などの不足で大きな苦しみを味わっている。そして多くの罪のない人々が死亡した。しかしそれはイスラエル人だけでなく、ハマスがイスラエルで行っていることにも関係している。ハマスはイスラエル人に恐怖を与えている」(バイデン氏)