米北西部でM9.0の地震と大津波の可能性、未曽有の災害に備えなし

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津波警報を受けて学校の屋上に避難した人々=2011年3月、宮城県東松島市/The Asahi Shimbun/Getty Images

津波警報を受けて学校の屋上に避難した人々=2011年3月、宮城県東松島市/The Asahi Shimbun/Getty Images

アレン氏によると、地震と津波に対する備えには長い時間と何十億ドルものコストがかかる。それでも備える価値は十分にあるとメルガー氏は言う。

地震の15~30分後に到達する津波を逃れられるかどうかは、どれだけ早く高台に到達できるかにかかっている。しかし安全な避難場所がない可能性もある。

「ワシントン州では、津波被害が想定され、近くに高台がない場所にほとんどの人が住んでいる」(アレン氏)

その場合、避難できる高い建物の存在が欠かせない。そうした建物は2011年の日本で津波から何千人もの命を救う助けになった。

太平洋に面した米北西部では、そうした建物が3棟しか建設されていない。さらに4棟の建設が予定されているが、アレン氏の推計ではワシントン州だけで50棟が必要とされる。これまでに建設された3棟は400~1000人を収容でき、高さは最大で23メートル。コストはまちまちだが、最高はオレゴン州のマリンサイエンスセンターの6200万ドル(約96億円)だった。

あと200年は起きないかもしれない災害に備えて何十億ドルも費やす意思が、人々にあるかどうかは分からない。「我々にはまだ時間があるかもしれないし、そうした事態を生き延びるために必要な対策を整えられるかもしれない」とアレン氏は言う。

ただし、残された時間があとどれくらいあるのかは誰にも分からない。

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