乳児を車内に放置した父親、殺人の有罪評決破棄後に釈放 米
(CNN) 米南部ジョージア州で10年前、当時1歳10カ月だった息子を高温の車内に放置し死亡させたとして、殺人罪に問われた父親への有罪評決が覆されたことを受け、本人が釈放されたことが分った。
州当局の公式サイトによると、父親のジャスティン・ロス・ハリス元受刑者は、父の日の16日に州立刑務所から釈放された。
ハリス元受刑者は、2014年6月に息子のクーパーちゃんを車に乗せたまま出勤し、7時間置き去りにした罪などで起訴された。
こうしたケースで親が殺人罪に問われることはまれだが、検察はハリス元受刑者が結婚と子育ての重圧から逃れようとしてクーパーちゃんを殺害したと主張。妻以外の女性らとの不倫関係が殺害の動機になったとして証拠を示した。16年に有罪の評決が下され、終身刑が言い渡された。
しかし州最高裁は22年、検察側の証拠が陪審に不当な先入観を与えたと判断し、殺人罪の評決を覆した。
ただし、クーパーちゃんが死亡した日に未成年の少女とわいせつなメッセージをやり取りしていた行為をめぐる罪状3件は取り消されず、子どもの性的搾取を図った罪などで計12年の刑を改めて言い渡されていた。それまでの拘束期間などを考慮した釈放予定日は、遅くとも今月18日と設定されていた。
元受刑者は当日、ほかにも5人の女性との間で性的なメッセージや画像のやり取りをしていた。クーパーちゃんの母親はすでに元受刑者と離婚しているが、一貫して父親に殺害の意図はなかったとの見方を示してきた。元受刑者について、良い父親であると当時にひどい夫だったと話していた。