欧州の米軍基地、警戒レベルを引き上げ テロ攻撃の可能性
(CNN) 欧州各地の米軍基地は30日、警戒態勢を強化し、警戒レベルを2番目に高い水準に引き上げた。米軍の職員や施設を標的とするテロ攻撃の可能性があるという。米当局者2人が明らかにした。
当局者らによると、米欧州軍司令部があるドイツ・シュツットガルトの米陸軍駐屯地を含む基地は警戒レベルを「チャーリー」に引き上げた。
米陸軍によると、このレベルは「何らかのテロ行為や職員または施設に対する攻撃の可能性があることを示す事案が発生したり、情報が寄せられたりした場合に適用される」。
欧州の基地に駐留している米当局者の1人はCNNに対し、「少なくとも10年間」この警戒レベルを見たことはなく、通常は軍が「明白で確実な脅威」を受けていることを意味すると語った。
警戒レベルの引き上げについて尋ねられた米欧州軍の広報担当者は、作戦の安全上の理由から具体的な措置についてはコメントしないとしながらも、同軍は国外の米軍コミュニティーの安全に関わるさまざまな要因を常に評価し、軍要員らの安全を確保するために追加措置を講じることはよくあると語った。
どのような情報が警戒強化のきっかけになったのかは不明だが、欧州当局は今月から開催されるパリ・オリンピック(五輪)を控え、現在ドイツで行われているサッカー欧州選手権期間中にテロの可能性があると警告している。
ドイツ政府は自国の警察に加え、580人の国際警察官を投入している。
同国のフェーザー内相は大会を前に「イスラム過激派のテロから暴力犯罪やフーリガンまで想定しうるあらゆる危険に備えている」と述べた。
フランスも1カ月足らずで始まるオリンピックでのテロの脅威に備えている。在仏米国大使館によると、フランスは3月以降、国家安全保障警戒システムを最高レベルに引き上げている。
同大使館はフランス当局が組織化された集団や過激化した個人によるテロの脅威を積極的に監視していると話す。攻撃はほとんど、あるいはまったく警告なしに起こり、観光地、主要なスポーツや文化のイベント、その他多数の民間人が集まる公共の場所を狙う可能性があると警戒感を強めている。