麻薬組織の大物逮捕、「裏切り」が発端だった 内部抗争を米当局が利用か
メキシコの新聞ではサンバダ容疑者の逮捕が大きく報じられた/Rodrigo Oropeza/AFP/Getty Images
一方、サンバダ容疑者の弁護士は28日、グスマン・ロペス容疑者が力ずくでサンバダ容疑者を拉致したと主張した。サンバダ容疑者は襲撃されて地面に組み伏せられ、軍服姿の男6人とグスマン・ロペス容疑者に手錠をかけられて、両脚を縛られ、頭に黒い袋をかぶせられたと訴えている。
トラックの荷台に乗せられて飛行場へ連行されたサンバダ容疑者は、飛行機に乗せられて、グスマン・ロペス容疑者によって座席に両脚を縛り付けられた状態で、本人の意思に反して米国へ連れて来られたと弁護士は話している。同機にはパイロットとグスマン・ロペス容疑者、サンバダ容疑者の3人しか乗っていなかった。
弁護士によると、グスマン・ロペス容疑者は30日にシカゴの連邦裁判所に出廷する見通し。
サンバダ容疑者は26日に裁判所に初出廷した。
麻薬組織に詳しい専門家はCNNの取材に対し、逮捕の経緯に関する当局の説明は疑わしいと指摘し、今後二転三転する可能性もあると話している。
それでも50年以上も麻薬組織のリーダーを追っていた米当局にとって、サンバダ容疑者とグスマン・ロペス容疑者が逮捕された意味は大きい。これまでに明らかになった経緯からは、麻薬組織の内部事情の一端が明るみに出た。