米、イランとイスラエルに緊張緩和求める 外交ルートも駆使
ワシントン(CNN) 中東情勢の緊張の高まりを受けて、米軍は同盟国とともに、予想されているイランによる攻撃からイスラエルを守るための準備を進める一方、米当局者はイランが攻撃を実行したり代理勢力とともに共同攻撃を行ったりしないよう、関係各国を通じて圧力をかけている。米国はまた、イスラエルに対して、中東全域に戦闘を波及させないよう自制を求めている。
米国のバイデン大統領とブリンケン国務長官はこの数日間、中東の各国首脳と相次いで電話会談を行った。バイデン氏とブリンケン氏はヨルダンやカタール、エジプトの指導者や外相と緊張緩和に向けた協議を行った。
ブリンケン氏は6日、同盟国や友好国とともに熱心に外交を行い、メッセージを直接イランに伝えてきたと述べた。「中東地域の誰もが、さらなる攻撃は全ての人々にとって、紛争と不安定、危険な状況を永続させるだけだということを理解すべきだ」
イスラエルは先週、イランが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラの司令官を殺害。翌日には、イランの首都テヘランでイスラム組織ハマスの政治局長が殺害されたが、この事案はイスラエルによるものだと広く信じられている。ハマスの政治局長の殺害について、イスラエルは実行したとは認めていない。
米当局者2人によれば、イランとその代理勢力はイスラエルに対する報復攻撃のための準備を開始したとみられている。当局者は、どのような準備が進められているのか詳細は明らかにしなかった。
複数の米当局者はCNNの取材に対し、米国はイスラエルへの攻撃が今後数日中に行われるとみていると述べた。イランとヒズボラが協調して攻撃を行うのかどうかは不明。
情報筋によれば、イランは依然として攻撃の規模について検討を行っているとみられるという。
米当局者1人と西側の情報当局者1人によれば、今は、イランよりもヒズボラが攻撃を行う懸念が強まっている。イランから資金や装備を受け取っているヒズボラがイラン抜きで行動を起こす可能性がある。
米国とイスラエルの当局者は、イランとその代理勢力による攻撃が起こるのは時間の問題であり、その後に何が起こるのかはイスラエル次第だと考えている。特に、標的とされたのが軍なのか民間なのか、そして、それらの攻撃よる死傷者の度合いによって、次の対応が決まる可能性が高い。