マスク氏のX、広告主と業界団体を提訴 出稿を「ボイコット」と主張
ニューヨーク(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏が保有するX(旧ツイッター)は6日、Xへ広告を「ボイコット」するよう共謀したとして大手広告主らを反トラスト法違反で提訴した。
X側は、影響力のある広告業界団体「責任あるメディアのための世界同盟(GARM)」が加盟企業に対し「ツイッターから数十億ドルの広告をそろって差し控える」よう画策したと主張している。同団体は2022年後半のマスク氏による買収後にツイッターがGARMの定めるブランドセーフティー基準から逸脱したことを懸念していた。
GARMは世界広告主連盟(WFA)が運営する広告業界の自主的な取り組みで、ブランドの広告が違法または有害なコンテンツと並んで表示されないよう支援することを目的としている。
GARMには100社を超える有名企業が加入している。そのうちの4社、CVS、ユニリーバ、マース、デンマークのエネルギー企業オーステッドは今回の訴訟の被告として名前が挙がっている。
この訴訟は、マスク氏の買収以来低迷しているXの主力事業である広告事業を復活させようとする最新の取り組みだ。多くのブランドは、マスク氏自身も時折宣伝してきた偽情報やヘイトスピーチと自社の広告が並んで表示されることを懸念し、広告出稿を控えている。同氏は昨年、Xを離れたブランドを「くたばれ」とののしった。
GARMは、この訴訟に関するコメントの要請にすぐには応じなかった。
訴状によると、GARMの加盟企業は「GARMのブランドセーフティー基準を採用、実施、施行することに同意する。これには、同基準に準拠していないと判断したソーシャルメディアプラットフォームからの広告を差し控えることも含まれる」。マスク氏の買収後、GARMがXに同基準を順守するよう公に要請した後、多くの加盟企業が「広告の購入を突然中止、または大幅に削減した」という。
ただし、GARMは同団体のウェブサイトで、特定のウェブサイトやチャネルに出稿するかどうかに関する加盟企業の決定に干渉することはないと述べている。
この訴訟は、GARMがXでの広告に関して引き続き勧告することを阻止することに加え、金額を明記しない金銭的損害賠償を求めている。