米当局、パキスタン国籍の男を逮捕 トランプ氏暗殺謀った疑い イラン関与か

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米ワシントンDCにある司法省本部/Jonathan Ernst/Reuters/File

米ワシントンDCにある司法省本部/Jonathan Ernst/Reuters/File

(CNN) 米司法省は6日、ドナルド・トランプ前大統領らの政治的暗殺を謀ったとして、イラン政府につながっているとされるパキスタン国籍の男を逮捕したことを明らかにした。暗殺計画の発覚を受け、シークレットサービス(大統領警護隊)はトランプ氏らの身辺警護を強化していた。

米連邦捜査局(FBI)は、トランプ前大統領や米政府当局者・元当局者が狙われていたとみている。

米ニューヨーク市ブルックリン区の連邦検察によると、逮捕されたのはアシフ・マーチャント容疑者(46)。ニューヨーク市を訪れて殺し屋と手を組み、8月下旬から9月上旬にかけて暗殺を実行する計画だったとされる。

マーチャント容疑者は殺し屋とされる人物と会った後間もなく、7月12日に米国を出国しようとしていたところを逮捕された。暗殺を実行する殺し屋だとマーチャント容疑者が信じていた人物は、実は覆面捜査官だった。

裁判書面によると、マーチャント容疑者は「パキスタン、世界、イスラム世界を害する」人物を狙うつもりだったと供述しており、そうした人物は「普通の人々ではない」と主張している。

暗殺計画が発覚したのは、トランプ氏がペンシルベニア州の集会で銃撃される事件の数週間前だった。捜査当局がCNNに語ったところによると、銃撃事件にマーチャント容疑者がかかわっていた形跡は見つかっていない。

マーチャント容疑者の暗殺計画は阻止したとFBIは見ており、逮捕されたマーチャント容疑者は捜査に協力しているという。しかしイラン政府がトランプ氏を狙っていることが分かったとして、FBIから情報提供を受けたシークレットサービスがトランプ氏の警護を強化していた。

検察によると、マーチャント容疑者は計画の一環として、暗殺を実行する複数の男性と、「偵察活動」を行う女性1人、「殺人発生後に注意をそらす目的の抗議運動」を実行する約25人を募集していた。

一方、マーチャント容疑者の弁護士は、同容疑者が捜査に協力しているという当局の説明を否定。捜査当局の説明は「不正確」かつ「無責任」だと訴えている。

イランは革命防衛隊の司令官だったガセム・ソレイマニ氏を2020年に米国のドローン攻撃で殺害されており、米政府はイランが報復としてトランプ氏や元側近の殺害を試みる可能性があるとして、繰り返し懸念を表明していた。

イラン国連代表部の報道官はCNNに対し、「本件について米政府からは何の報告も受けていない」とした上で、「問題の手口は、ソレイマニ将軍を殺害した人物を法的に訴追するというイラン政府の方針と矛盾する」とした。

検察によると、マーチャント容疑者はパキスタン国籍でイランに滞在していたことがあり、家族もイランにいる。

メリック・ガーランド米司法長官は6日、「米国の公人を標的とし、米国家の安全を危険にさらそうとする権威主義政権のいかなる試みも容認しない」と強調した。

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