バンス上院議員、かつて共和党の移民政策を批判 批判の投稿の削除依頼も

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国境の壁を視察するJ・Dバンス上院議員=8月1日、アリゾナ州/Anna Moneymaker/Getty Images via CNN Newsource

国境の壁を視察するJ・Dバンス上院議員=8月1日、アリゾナ州/Anna Moneymaker/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) 今秋の米大統領選に共和党の副大統領候補として出馬しているJ・D・バンス上院議員が、2012年11月のオバマ大統領(当時)の再選から1週間後に、共和党の移民やマイノリティー(少数者)をめぐる立場について、「非白人を公然と敵視」して、「黒人やラテン系、若者」を疎外していると批判していたことがわかった。バンス氏は当時、イエール大学ロースクールの学生だった。

その4年後、バンス氏は共和党から政界に進出することを考え、かつての大学教授に対し、ウェブ上に投稿したこの批判を削除するよう依頼した。依頼されたブラッド・ネルソン教授はオハイオ州立大学の学部生だったバンス氏を教えていた。ネルソン教授はバンス氏の卒業後、自身が運営する無党派のシンクタンク「CWCP」のブログへの寄稿を依頼していた。

ネルソン教授はCNNの取材に対し、16年の共和党予備選の際、バンス氏からの投稿の削除依頼に合意したと述べた。そうすれば、バンス氏が共和党での職を見つけやすくなるだろうと考えたという。だが、「共和党の青写真(仮題)」と名付けられたバンス氏による投稿はインターネットのアーカイブに相当する「ウェイバックマシン」で確認できる。

バンス氏は投稿の中で「共和党の移民政策の重要な部分は1200万人を国外追放(または『自主的な追放』)にする可能性を中心に据えている」と指摘。「考えてほしい。我々保守派は、事業融資を効率的に管理し、食料の供給を規制する政府を(当然ながら)信用していない。しかし、我々は、政府が数百万人の未登録の外国人を強制送還できると信じているといわれている。この概念は笑いの試験に合格できない。共和党のあまりの多くのことについて、同じことが言える」

さらに12年後、バンス氏はトランプ前大統領の副大統領候補として、12年当時に批判していたものと同じ反移民の姿勢の多くを支持している。バンス氏は最近では、オハイオ州スプリングフィールド市ではハイチからの移民が住民のペットを食べているという根拠のない主張を広めていた。

バンス氏は15日、トランプ氏の移民政策に対するこれまでの批判について質問を受け、トランプ氏の移民に関する言説こそがトランプ氏に対する批判者から支持者へと立場を変えた理由だと説明した。

バンス氏は「私がドナルド・トランプ氏に対する考えを変えた理由は、スプリングフィールド市で起こっていることによって完全に浮き彫りになった」と語った。「メディアやカマラ・ハリス副大統領の陣営がスプリングフィールド市の住民を人種差別主義者と呼び、住民がうそをついていると言っている。移民がガチョウを食べているという報告はでっち上げだと言い続けている。彼らは今この瞬間にもスプリングフィールド市で起きている公衆衛生上の災害を完全に無視している。これを無視していないのは誰だ。ドナルド・トランプ氏だ」

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