イスラエルによるイランへの報復攻撃、大統領選前か 米当局者が予測
ワシントン(CNN) イランが行った大規模なミサイル攻撃に対するイスラエルの報復攻撃をめぐり、米当局者は、米大統領選の投票日である来月5日よりも前に攻撃が実行される可能性があるとみていることがわかった。情報筋が明らかにした。米国民は投票日を控え、中東情勢の不安定さの増大を目撃することになりそうだ。
情報筋によれば、イラン政府内で報復攻撃の時期と内容をめぐり激しい議論が交わされているが、大統領選のタイミングとは直接は関係ないという。
それでも、情報筋によれば、イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエルの行動が米国に及ぼす政治的な影響に非常に敏感になっているようだ。米政府高官はネタニヤフ氏について、米政界に深く同調している人物とみなしている。
激化する中東情勢が大統領選の争点として浮上している。バイデン大統領、さらにはハリス副大統領は、中東情勢への対応をめぐり、進歩派から圧力を受けている。一方、トランプ前大統領を含む共和党側は、バイデン政権が危機への対応を誤り、世界を混乱に陥れたと批判している。
バイデン政権は投票日が近付くにつれて、パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況を改善するため、イスラエルに対して新たな圧力を加え始めた。今週公表された書簡の中で、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官は連名で、ガザへの追加支援が提供できなければ、軍事援助を見直す可能性があると警告した。
書簡は米国とイスラエルとの政治的な緊張関係を示しているものの、大統領や副大統領の署名はなく、左派からの圧力にかかわらず、バイデン氏もハリス氏もイスラエルへの援助を打ち切るとは公に表明はしていない。書簡で求めた人道物資増加について期限は大統領選後だ。書簡が公表された同じ週に、イランの攻撃から国を守るための先進的な米国の防空システムがイスラエルに到着していた。