激戦州ミシガン、トランプ氏がアラブ票の取り込み狙う ガザ情勢に不満
ミシガン州ノバイ(CNN) 米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は週末にミシガン州で開いた選挙集会で、イスラム教徒(ムスリム)の指導者を壇上に呼び込んだ。トランプ氏は、イスラエルやパレスチナ自治区ガザ地区に対する米政府の政策に幻滅や怒りを感じているアラブ系やムスリムの有権者を取り込もうとしている。
トランプ氏は同州デトロイト郊外に位置するノバイの集会で、アラブ系やムスリムの有権者が選挙戦の行方を左右する可能性があると訴えた。ノバイは、昨年米国で初めてアラブ系が多数派となった町ディアボーンからも近い。
トランプ氏は演説で集会前にムスリムの指導者と会合を持ったと語った。トランプ氏は「ミシガン州のムスリムの地元社会の素晴らしい指導者」を壇上に呼び込み、自身については「平和」の候補者だと説明した。
トランプ氏は広報活動を理由にイスラエルによるガザでの戦闘を批判し、イスラエルのネタニヤフ首相と軍は戦闘を「迅速に終わらせる」必要があると語った。
トランプ氏はバイデン大統領や、民主党の大統領候補でもあるハリス副大統領について、イスラエルを十分に支援していないとして非難した。バイデン政権とハリス陣営は、イスラエルに対する批判や、イスラエルへの武器輸送の停止の検討について、ほとんど拒否している。
トランプ陣営は、イスラエル軍によるガザでの軍事作戦や、最近ではレバノンでの軍事作戦をめぐり、米国が継続して支援していることについて不満を抱えるアラブ系やムスリムの有権者を取り込もうとしている。トランプ陣営は、ハリス氏とバイデン氏を批判し、戦争に反対している有権者に対してはトランプ氏が和平を確保すると明言。親イスラエルの有権者に対しては民主党がそうした人々を支えていないと主張している。