米国は「まるで世界のごみ箱」とトランプ氏 不法移民流入を非難
(CNN) 米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は24日、米国は「まるで世界のごみ箱」だと訴え、不法移民が流入する現状を非難した。
アリゾナ州テンピでの選挙集会で述べた。トランプ氏はバイデン・ハリス政権の国境政策を批判し、「我々はごみ捨て場だ。まるで世界のごみ箱だ。そうした事態が実際に起きている」と語った。
その上で「彼ら(バイデン・ハリス政権)が我が国にしたことを話すたびに怒りが募る」「ごみ箱と口にしたのは初めてだが、周知の通り、全くもって正確な表現だ」と続けた。
大統領選まで2週間を切る中、上記のトランプ氏のコメントは激しさを増す反移民の言説の中で最新のもの。ホワイトハウスへの返り咲きを目指す同氏は、国境の安全確保を自身の争点の中心に据えている。
トランプ氏は2016年の大統領選から、滞在許可証を持たない移民に対する非人間的な言い回しを用いてきた。そこにはそうした移民をまとめて殺人者や「精神病院」からきた人々、危険人物と印象づける狙いがある。選挙演説では決まって、米国への「侵略」が起きているとの見方も口にしている。
再選を果たせばこれらの移民を取り締まるとも約束しており、今年に入ってからは1500万~2000万人を強制送還する意向を明らかにした。実現すれば、大統領任期中に強制送還した150万人を大幅に上回ることになる。
選挙戦が最終盤に差し掛かり、トランプ氏は有権者に対し、国境の閉鎖と不法移民の送還が米国にとって喫緊の最優先課題だと訴えている。また民主党候補のハリス副大統領を再三非難し、滞在許可証を持たない移民の大量流入は同氏に責任があるとの認識を示した。そこにはハリス氏を「国境の責任者」とする不正確な主張も含まれる。
ハリス氏は23日のCNN主催の対話集会で、「米国の移民システムは崩壊している」と認めつつ、問題の解決には連邦議会での党派を超えた合意が必要だと強調した。