不正投票で中国籍の市民を起訴 米ミシガン州

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ミシガン州で期日前投票期間に票を投じる有権者=29日、ミシガン州ディアボーン/Bill Pugliano/Getty Images

ミシガン州で期日前投票期間に票を投じる有権者=29日、ミシガン州ディアボーン/Bill Pugliano/Getty Images

(CNN) 米ミシガン州の検察は、投票不正と偽証の罪で中国籍の市民1人を起訴した。今年の選挙で票を投じたとされる。当局が30日に発表した。

事情に詳しい複数の情報筋はCNNの取材に対し、投票したとされる中国人の19歳の男はアナーバー在住の学生だと述べた。同市にはミシガン大学がある。当局によれば男は米国籍ではないため、米国の連邦選挙に投票することは出来ない。

今回の起訴はミシガン州の州務長官、州司法長官、アナーバーの地方検察が発表した。大統領選の共和党候補、トランプ前大統領と同党の支持者らは現在、米国人以外が大量に投票しかねないとの懸念を広めている。専門家によれば、外国人の違法な投票は極めて珍しく、実際に起きた場合には大抵すぐ捕まるという。

ミシガン大学に在学するこの中国人の男は27日に投票した後、その日のうちに地元の選管に連絡を取り、投票用紙を返してもらおうとした。事情に詳しい情報筋が明らかにした。

情報筋によれば、男は27日に投票所で有権者登録を行った。学生証などの書類でアナーバー在住だと証明し、当日用の有権者登録票に記入した。この件の詳細は、デトロイト・ニュースが最初に報じた。

被告は合法的に米国に滞在していると、情報筋は付け加えた。有罪になれば本国に送還される可能性があると、法律の専門家は述べている。

ミシガン州のベンソン州務長官とウォッシュトノー郡のサビット検事は声明を出し、多数の州と全国レベルでの調査の結果、これまでのところ大人数の外国人が有権者登録を行った証拠は見つかっていないとした。また実際に外国人が票を投じることは比較的少なく、そのような事態が発生すれば非常に深刻に受け止めるとも述べた。両氏は共に民主党に所属する。

その上で、「誰であれ外国人がミシガン州で不正投票を試みれば大変なリスクに直面し、起訴されて最大限の法の裁きを受けることになる」と警告した。

ミシガン州の捜査員らは、これが単独の事件なのか、それとも中国による選挙介入の一環と考えられるのかどうか依然調査中。連邦捜査官も同様にこの事件を調べていると、事情に詳しい情報筋はCNNに明らかにした。

やはり民主党に所属するミシガン州のネッセル司法長官は声明で、本件に関して「独立した別個の捜査」を立ち上げたと述べた。

当局は中国人学生の身元を明らかにしていない。罪状は不正投票未遂1件と偽証1件で、いずれも重罪に該当する。

この学生の投じた票は無効に出来ず、1票として数えられる見通し。

ウォッシュトノー郡の事務員はCNNの取材に対し、一度投票機械を通過した票は回収できないと述べた。郵便投票と異なり、投票所での直接投票の場合は有権者本人を特定する情報が全くないため、どの票が当該の学生の投じたものかを判別するのは不可能だという。

専門家らは、これが標準的な選挙の手続きであり、投票の秘密を守ることを念頭に置いていると説明した。

起訴の発表を受け、共和党の州当局者や州議会議員らは、投票時の米国籍の証明を義務づけなかったとして民主党を批判した。

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