ワシントン・ポスト紙、25万人以上が購読解約 大統領選の支持見送りから急増
ニューヨーク(CNN) 米紙ワシントン・ポストが先週、大統領選で特定候補を支持しないと発表して以来、25万人以上の読者が同紙の購読を解約したことが分かった。解約は「大幅に急増」しているという。同紙が29日遅くに報じた。
同紙の報道によると、発行人のウィリアム・ルイス氏が25日に初めて発表したこの決定により、同紙は29日の夜までにデジタル購読者のおよそ10%を失った。この数字には25日以降に登録した可能性のある新規購読者や、購読を再開した人は考慮されていないという。
投票日まで2週間を切る中で行われたルイス氏の発表はポスト紙の数十年にわたる伝統を破るものだった。この発表を受け、著名人や元スタッフらを含む読者は直ちにこの動きに反旗を翻し、定期購読を解約したことをSNSに投稿した。同紙は、発表から数時間以内に解約が急増し始めたと報じた。
読者やマーティー・バロン元編集局長を含む元スタッフらは、この決定を「臆病」で「卑劣」と断じ、同紙オーナーのジェフ・ベゾス氏が先んじて2期目のトランプ政権に屈しようとする動きとみなしている。
コロンビア大学ジャーナリズム大学院のビル・グルースキン教授は、「トランプ政権からの報復に対する恐怖以外に、支持の取りやめについて納得できる説明はないと思う」と語った。
宇宙企業ブルーオリジンなどを率いるベゾス氏は自身のビジネス上の利益がこの決定に影響を及ぼしたことを否定したが、グルースキン氏によると、大統領選での候補者の支持を公表することは新聞社の収益に影響する可能性があると指摘する。
購読者25万人減は「ジェフ・ベゾス氏にとっては小銭にもならないかもしれない」が、「ポスト紙が失う収入と読者はかなりの規模だ――明らかに当分の間、そして何年にもわたるかもしれない」という。
「これは明らかに出版物、特にポスト紙に影響を及ぼす。同紙のビジネスモデルはすでに薄氷の上だった」(グルースキン氏)