警官に射殺された女性の遺族、市と30億円の和解成立 米ニューメキシコ州
(CNN) 米ニューメキシコ州ラスクルーセス市で45歳の女性が警官に射殺された事件をめぐり、市と遺族の間で2000万ドル(約30億円)の和解が成立した。AP通信や地元メディアが伝えた。
死亡したテレサ・ゴメスさん(45)は2023年10月、ラスクルーセス警察の警官に射殺され、遺族が市と警察署長などを相手取って連邦裁判所に訴えを起こした。裁判所の記録によると、和解が成立したのは11月7日だった。
ゴメスさんを射殺した警官のフェリペ・ヘルナンデス被告は数カ月後に免職となり、殺人罪で起訴されて無罪を主張している。公判は来年6月2日に始まる予定。
ボディーカメラの映像によると、警官は車の中のゴメスさんと同乗者が不法侵入したととがめて口汚い暴言を浴びせ、自分の命令に従わなければ逮捕してテーザー銃で撃ち、「生き地獄」にしてやると口走っていた。
ゴメスさんは自転車で近付いてきた警官に対し、その住所の相手を訪ねてやって来たと話し、なくした鍵を探していると説明。公営住宅の前に車を止めていたことをめぐり、警官とゴメスさんが言い合っていた。
車から出ろと警官から何度も命じられたゴメスさんは、いったん車から出て警官の質問に答え、その後車の鍵を見つけて警官の許可を得たうえで運転席に戻った。
30秒後、ゴメスさんはまだ車のドアが開いた状態でエンジンをかけ、いったん車をバックさせた後に、ドライブに切り替えた。警官は「止まれ!」と3回叫んだ後、数回発砲した。
裁判の中で遺族側は、車の中で出血して息絶えかけていたゴメスさんを警官が放置したと主張。市職員が有色人種に偏って過剰な武力を行使していると訴えていた。ゴメスさんはヒスパニック系だった。